1人SESと適法な請負処理
こんにちは、東京都渋谷区代々木2丁目(新宿南口徒歩6分)にあります、Co.Co.Labo経営・社労士事務所です。本日は、労働者派遣事業の労働局調査のポイントについて書かせて頂きます。
IT企業で行われている「SES」と呼ばれる請負契約による常駐開発は珍しい光景ではありません。
この形態は、お客様先で開発者を常駐させ開発業務に従事させる形態です。
現場で、直接「指揮命令」が有ったか否かを論点に、生じていたと評価されてしまうと、労働者派遣法との関係でコンプライアンス上の問題をしばしば生じています。
実際に違反の是正指導、行政処分等も直近で東京労働局、大阪労働局等で行われており、事業主名も公表されている事案があります。
特に常駐者が1名の場合に違反を問われるケースがありますので、1名の場合の対応策を以下に指し示しをします。
・1人で客先常駐をしている場合には、一般的には現場で指揮命令が生じているものと、推察されてしまう事が多いので可能であれば、2人以上のペアで現場に入る
・1人常駐とならざる負えないケースでは、その者とは別に「現場管理者」を選任し、その者にお客様との直接的な納期調整、その他の連絡事項をおこなわせる。
その者は必ずしも現場に常駐する必要はない。
当事務所は一つ一つの法解釈を、行政通達、パンフレット等だけではなく、何度も当局の担当者に確認をし、クリアできる水準を見出します。
以上となります。適法な請負処理には指揮命令以外の判断要素もありますが、最も調査上で問題なるのが直接指揮命令です。
尚、業界慣行では、お客様先のタイムシートで勤怠を記録するケースが多いですが、労働局によっては、自社のタイムカード等で打刻をしていない場合には、請負としての否定要素が強まるという当局の判断も強まりますので、その点にもご注意ください。