
【IT企業の労務管理】 本ページは令和4年9月時点で作成したものです
社会保険労務士法人Co.Co.Labo経営・社労士事務所 特定社会保険労務士の阿久澤文薫です。
本日は当社でも受任実績の多い「IT企業の業種別労務管理」のコンテンツを作成しました。
【IT企業を支援してきた過去】
私が社労士業界に入職し始めて本格的に就業規則の全面改訂を受任したのがシステム開発の企業様でした。
その後、クラウドシステム、ゲーム制作会社様等の新規上場(新規IPO支援)を中心にサポートしてまいりました。
それ以降、ずっとIT企業様にはご縁を頂きノウハウを蓄積してまいりました。また私はエンジニア中心ですが、定着率改善のために
過去多くのエンジニアの方をキャリア面談(キャリアコンサルティング)を実施させて頂いた経験があります。
従いまして会社側の視点と従業員側の視点を両面持ちああせた支援が得意です。
【現在のクライアント層】
当事務所の顧問先の比率で15%以上となるIT企業。スタートアップから上場準備企業、上場企業まで様々なステージの企業様を支
援させて頂きました。当事務所にご相談を頂く企業様の大きくは以下のような人事労務上の課題をお持ちの企業様です。
【当事務所をご用命頂く理由NO,5(IT企業編)+α】
1.上場準備に入るので、上場準備に強くIT企業の事を熟知している社労士事務所を探している
2.SESをおこなっており、労働者派遣事業、請負契約による客先常駐開発等をおこなっており、その分野に詳しい社労士事務所を
探している。
3.社会保険・労働保険・給与計算等をおこなう間接部門(管理部門)のリソースが少なく、またはリソースを最適化したく全面的
にアウトソーシング可能な社労士事務所を探している
4.業界の共通言語で話せ、システム活用、クラウド対応に強い社労士事務所を探している
5.鬱、精神疾患等に詳しく対応ができる社労士を探している
6.番外編 教育訓練を沢山おこなうので積極的に教育訓練関係(研修)の助成金を積極活用したい
【IT業界の人事労務管理】
人事労務管理は、共通の課題がある一方で実際はその企業のビジネスモデルによって、働き方が異なるので労使トラブル等のパター
ンも異なります。
例えば当事務所のクライアント企業様でも分類すると以下のようなサービスを提供される企業様を支援しております。
また近年はTechブーム、DXブームという事もあり、企業内のIT部門、WEBマーケティング部門、自社システム・
①受託開発(システム・アプリ開発等)
②客先常駐開発(SES)
③ゲーム開発
④WEBサイト制作
【IT業界における共通的な人事労務管理上の課題】
①採用・・・景気動向を受けやすい。昨今はDX、メタブームでエンジニア需要が急速拡大中。人材獲得競争が激化すると賃金相場
が高騰し既存社員とのアンバランスにしばしば陥る。
②雇用契約・・・正社員待遇が多いが、期間雇用(有期労働契約)も目立つ(PJ期間中のみの直接雇用というパターン)
定額残業代が含まれている労働条件がほとんど。人材確保が厳しくなると一時的に時間数を減少させる企業も多い。
景気後退期に、再びみなし残業時間数を増やす企業も少なくない
③賃金・・・ほとんどのケースで定額残業代を含む金額で支給をしており、制度は開発スキル、経験を考慮して設定
優秀なエンジニアを採用・定着させるために高額の給与を支給している企業が多いです。賃金の形態は「職能給型」が多いものの、
実際には給与額は都度、決めているようなケースも珍しくありません。SESの場合には人月単価の相場がある程度決まっているの
で、その金額を基準に処遇を決定しているケースが多いです。
④労働時間
労働時間制は「多様化」しています。コロナ発生後は「フルリモート勤務」も増え、「リモートワーク」+「フレックスタイム又は
専門業務型裁量労働制」等の働き方が増えたと感じています。通常の労働時間制を採用した上で「定額残業代(みなし残業代)」を
設定している企業がほとんどです。みなし残業は多くの企業で30時間~45時間の間で設定されている事が多いです。
優秀なエンジニアが複数の開発案件を担当するため、優秀な方ほど長時間労働の傾向にあります。
またフレックスタイム、裁量労働の弊害で深夜労働が恒常的なケースも目立ちます。
⑤休職者の問題
業務の特性上、うつ病等の精神疾患を発症し休職に至るケースが多い業種です。
休職と復職と再発を繰り返すパターンも珍しくありません。転職後に直ぐに休職に至るケースも多く。
採用時の健康状態の見極めと、休職発令、復職の判断に頭を悩ませるケースも多いです。傷病手当金の申請件数も多いです。
上記のような業界の労務管理の特性と支援実績を背景にIT業界、クライアント企業に適した人事労務管理、就業規則等の整備、
等を包括的に支援しております。